02 UVを基本から解説
UVによる乾燥・硬化
UV硬化とは
UVキュア(紫外線キュア)、UV乾燥(紫外線乾燥)とも呼ばれ、紫外線硬化樹脂などへ、紫外線を照射することで光重合反応が起こり、液体から固体となるプロセスのことを指します。
UV硬化のメカニズムは、光重合反応が樹脂内で起こり液体が固体に変わることをいいます。
UV硬化樹脂は、モノマー、オリゴマー、光重合開始剤と添加剤で構成されています。
紫外線の照射を受けると、光重合開始剤がモノマー(液体)状態からポリマー(固体)状態へ変化させる光重合反応を起こします。この光重合反応により接着や固定が可能となります。
従来の熱による乾燥・硬化では数十秒から数十分かかってしまう工程も紫外線を利用した乾燥・硬化では数秒と大幅な時間短縮が可能となります。
また、短時間での乾燥となるため、熱が発生しにくくワークへの温度上昇を抑えることが可能となります。
UV硬化装置
UV硬化装置はコンパクトで、電力消費が大きな熱乾燥処理室や広い空調システムも不要となります。
UV硬化装置は省スペース・省エネルギーであり、乾燥・硬化での工程から発生するCO2削減にも有用と言えます。
デメリットとしては、紫外線の光を目的とするUV硬化樹脂へ照射する必要があるため、形状が複雑なものや、奥まった場所、影となってしまう場所への乾燥・硬化には不向きです。
また厚膜には紫外線が内部の深い位置まで光が届かずに硬化度が低くなってしまう傾向があります。
UV乾燥・硬化は、産業界において、欠かせない技術として様々な分野で利用されています。
身近なところでは、ネイルの硬化や歯の詰め物の硬化などに利用されています。
他にも半導体製造工程におけるフォトレジストや、光学部品の接着、住宅や車載向け表面コーティング、UVインクの硬化、3Dプリンターの造形、液晶フィルム基板の仮止め等に使用されている技術です。
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