04 紫外線(UV)照射装置の基礎
ウイルス抑制・殺菌用途の紫外線(UV)照射装置の仕組み
本記事では、ウイルス抑制・殺菌用途のUV照射装置の仕組みについて、解説しております。
ウイルス抑制・殺菌用途の紫外線(UV)照射装置の仕組み
波長域100nm~280nmの深紫外線(UV-C)はウイルスや細菌などのDNAやRNAに吸収される性質があるため、ウイルスや細菌などにUV-Cの紫外線を照射することでDNAやRNAに直接ダメージを与え、破壊することができます。
これにより、化学薬品を使用しなくてもウイルスや細菌などを殺菌することができます。
紫外線(UV)照射殺菌装置について、用途を含めて下記記事で詳しく解説しておりますので、こちらも合わせてご覧ください。
>>「紫外線(UV)照射殺菌装置の用途」について詳しくはこちら
ウイルス抑制・殺菌用途で使用するUV照射装置
殺菌用のUV照射装置には、主に低圧水銀ランプや高圧水銀ランプ、UV-LEDを使用した装置があります。低圧水銀ランプは発光効率が30%ほどで効率がよく、比較的安価で使い勝手が良いのが特徴です。高圧水銀ランプは発光効率が低い(6~8%)ものの、低圧水銀ランプの10倍以上のランプ出力があるため、純水製造や有機物分解、海水殺菌などに広く利用されています。
UV-LEDは素子単体の出力が低く、紫外線放射量当たりのコストも高いですが、水銀フリーで省エネ・高寿命なため、技術の進化によるさらなる高出力化が期待されています。
ウイルス抑制・殺菌用途のUV照射装置を使用する際の注意点
UV-Cによる殺菌装置は、ウイルスや細菌などに高いエネルギーの紫外線を照射して殺菌を行うため、人体にも悪影響を与える可能性があります。使用する際には保護メガネの着用などの安全対策を行う必要があります。また、紫外線による殺菌は、紫外光が直接当たる表面に対してのみ効果を発揮するため、適切な距離や角度を考慮する必要があります。
使用には細心の注意が必要ですが、その高い殺菌効果と薬品を使わない環境に優しい特長から、現在では医療施設や食品工場などの産業分野だけでなく、家庭用品としても市販されています。
紫外線照射装置の安全性や使用上の注意点については、下記記事で詳しく解説しておりますので、是非こちらも合わせてご覧ください。
>>「紫外線照射装置の安全性や使用上の注意点について」詳しくはこちら
紫外線(UV)照射殺菌装置のアプリケーション
ここからは、紫外線(UV)照射殺菌装置の具体的なアプリケーションついて紹介します。
①ウイルス抑制・除菌装置用UV照射装置
商業施設や病院などで使用されるウイルス抑制・除菌装置用としてUV照射装置が使用されます。UVを照射することで、ウイルスや細菌のDNA/RNA構造が破壊されるため、ウイルス抑制・除菌が可能になります。
UV-Cを用いて除菌効果を持たせる他、UV-Aと光触媒により、除菌+脱臭効果をもつ装置もあります。
②UV水除菌装置
水の除菌装置には、UV照射装置が搭載されています。水除菌装置の用途は、上下水道、飲料、ボイラー水など様々です。220nm程度の深紫外線領域のUVが用いられており、水銀ランプを光源にすることが一般的です。
265nm,280nm程度のUV領域であれば、水銀ランプではなくUV-LEDを活用することも可能であり、長寿命化を実現できます。
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