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01 知ってほしいLEDのこと

UVコーティングとは?UVコーティングの用途・原理・効果を解説!

UVコーティングとは?

UVコーティングとは、紫外線硬化樹脂を塗布した材料に紫外線を照射することで、瞬時に硬化させるコーティング方法です。従来の熱硬化型樹脂と比べて、硬化時間が大幅に短縮されます。また、VOC(揮発性有機化合物)の排出量が少ないことから、環境にも優しいコーティング方法として注目されています。

硬化のメカニズムとしては、紫外線硬化樹脂に含まれる光重合開始剤が紫外線を吸収することでラジカルを発生させ、重合反応を引き起こし硬化します。

UVコーティングは、塗膜の硬度が高く、耐摩耗性、耐薬品性、耐候性に優れているという特徴があります。そのため、様々な分野で使用されており、近年では、スマートフォンやタブレットのディスプレイ、自動車のボディ、建材など、幅広い用途で使用されています。

UVコーティングは工場塗装として40年ほど前から実用化されている施工方法ですが、紫外線の照射と液剤の取り扱いの難しさから現場での施行は出来ないと思われていました。しかし、液剤の改良や紫外線照射機のコンパクト化などにより、近年では、現場でのUVコーティングが実用化され、様々な分野で利用されています。

UVコーティングの使用用途

UVコーティングは、その優れた特性から、様々な分野で使用されています。主な使用用途は以下の通りです。

①木工・家具分野

テーブル、椅子、キャビネットなどの家具、フローリング、ドアなどの建材にUVコーティングを施すことで、美しい光沢と高い耐久性を実現できます。傷や汚れがつきにくいという効果があります。

②紙工・印刷分野

カタログ、パンフレット、パッケージなどにUVコーティングを施すことで、高級感と耐久性を向上させることができます。また、印刷面の保護にも役立ちます。

③プラスチック製品分野

自動車部品、家電製品、日用品など、様々なプラスチック製品にUVコーティングが使用されています。耐摩耗性、耐薬品性、耐候性に優れているため、長期間にわたって美観を維持することができます。

④電子部品分野

プリント基板、電子部品などにUVコーティングを施すことで、絶縁性、耐湿性、耐熱性を向上させることができます。

⑤医療分野

カテーテルや注射器の樹脂部、医療機器の各種メモリの印刷部などにもUVコーティングは利用されています

UVコーティングの原理

UVコーティングは、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することで硬化させるコーティング方法です。この硬化のメカニズムは、光重合と呼ばれる化学反応によって起こります。

紫外線硬化樹脂には、光重合開始剤と呼ばれる物質が含まれています。この光重合開始剤は、紫外線を吸収すると活性化し、ラジカルと呼ばれる反応性の高い分子を生成します。

生成されたラジカルは、樹脂の分子に作用し、連鎖的に重合反応を引き起こします。この重合反応により、樹脂の分子が結合し、硬化が起こります。

UVコーティングの硬化速度は、紫外線の強度や照射時間、樹脂の種類、光重合開始剤の種類などによって異なります。一般的に、紫外線の照射エネルギーが高いほど硬化速度は速くなります。

UV硬化について解説した記事も多数ございます。是非こちらも合わせてご確認ください。

>>紫外線硬化樹脂の硬化のメカニズム

>>UVによる乾燥・硬化

>>紫外線(UV)硬化装置の光源としてのUVーLED

>>紫外線(UV)硬化装置の用途

UVコーティングの効果

UVコーティングを施すことによって、様々な効果を得られます。主な効果は以下の点が挙げられます。

効果   説明
高耐久性塗膜の硬度が高いため、傷や摩耗に強く、長期間にわたって美観を維持することができます。
耐薬品性薬品や溶剤に対する耐性が高く、腐食や変色を防ぐことができます。
耐候性紫外線や雨風などの外的要因による劣化を防ぎ、長期間にわたって美観を維持することができます。
光沢性美しい光沢を出すことができ、高級感を演出することができます。
防汚性汚れがつきにくく、落としやすい性質があります。

UVコーティング用の紫外線照射装置のことなら紫外線照射装置 技術ナビまで!

当社では、お客様のUVコーティングのニーズに合わせ、最適な硬化条件、最適な紫外線光源と紫外線照射装置をご提案が可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。

UVコーティング用紫外線(UV)照射装置のアプリケーション

最後に、当社の代表的なUVコーティング用紫外線(UV)照射装置のアプリケーションについて紹介します。

木工コーティング材硬化用UV照射装置

住宅のフローリング・家具・ドアなどの木工製品について、耐摩耗性や耐薬品性を付加するためにコーティング材が塗布され、硬化させるためにUV照射装置が用いられています。材料の加工段階でコーティング・硬化される場合もあれば、住宅のフローリングのように材料が敷かれたとあとに、塗布・硬化される場合もあります。 

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光ファイバーコーティング材硬化用UV照射装置

光ファイバー

光ファイバーの保護や強度の向上を目的にコーティング材が塗布され、コーティング材の硬化にUV照射装置が使用されます。
コーティング材によって用いられる波長は異なります。複数波長の照射が必要な場合が多く、光源としてメタルハライドランプや高圧水銀ランプが使用されます。ただし、254nm、365nmなどの単一波長で硬化が可能なコーティング材もあり、その場合には光源としてUV-LEDを使用することも可能です。

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表面コート剤硬化用UV照射装置

車の塗装やコーティング、パテなどの硬化用途でUV照射装置が用いられています。
表面コート剤硬化装置は、基本的にはハンドツールであり人手にて作業を行います。

表面コート剤硬化装置のUV光源には、一般的にUVランプが用いられていますが、UV-LEDへの置き換えが検討されています。UV-LEDの置き換えにより待機時間(立ち上がり)と発熱の改善、Hgレス等が実現できます。

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