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01 知ってほしいLEDのこと

コリメート光とは?コリメートレンズやコリメートミラーの役割をご紹介!

コリメート光とは?

コリメート光は、射出された光のどれもが重なることなく、互いに平行な状態となっていること、またその状態の光のことを指します。※ただし完全に平行になることは技術的にかなり難しいとされています。

一般的に、光源から出る光は拡散しており、不規則な方向に広がっています。この光を特定の方向に集中させるためには、光をコリメートするという作業が必要です。

コリメート光を用いて、特定の方向に光を収束させることで、光源を使用する各種装置や検査機器において安定性や性能を向上させることができます。

 

コリメートレンズやコリメートミラーが果たす役割

コリメートレンズやコリメートミラーは、光をコリメートするために必要不可欠な光学部品です。コリメートレンズは、レンズを通した光が平行になるよう光の方向を補正するレンズのことを指します。コリメート光には欠かせない光学部品です。

一方、コリメートミラーは、反射を利用して光を平行に整える光学部品です。照射された光がコリメートミラーに反射されることで、コリメート光(平行光)になります。

これらコリメートレンズやコリメートミラーの詳細設計は、コリメート光の精度(平行の度合)に直結します。お客様の求める、照度などに合わせた最適なコリメートレンズやコリメートミラーの設計には専門的な知識が必要になります。

 

理想的なコリメーション(平行光)を実現するポイント

理想的なコリメーションを実現するためには、いくつかのポイントがあります。

ポイント①:適切なレンズの選定

広がり角度と発光面の高さ、コリメート用レンズ、ミラーの焦点距離の関係は以下の式が成り立ち、この式より広がり角度やコリメート用レンズ、ミラーの焦点距離を求めることが出来ます。

h=f・tanθ

h(mm):発光面の高さ

f(mm):コリメート用レンズ、ミラーの焦点距離

θ(°):光の広がり角度

※θ=0°の状態が理想的なコリメーションとなります。

 

式から分かるように理想的なコリメーションを実現するためには、可能な限り発光面積を小さくし(hを小さく)、焦点距離の長いレンズまたはミラーを選定する必要があります。

広がり角度を優先し、発光面積の小さい光源を選定してしまうと絶対的な放射束は少なってしまい、さらに焦点距離の長いレンズまたはミラーを選定しても照射するエリアは広がりますが単位面積当たりにおける照度は低くなってしまう傾向にあります。

また照度の高いコリメート光が必要な場合、発光効率がよく単位面積当たりの出力が高い光源を選定する必要があります。必要となる広がり角度や照度、照射エリアを見極めてからコリメート用レンズ、ミラーを選定する必要があるといえます。

 

ポイント②:光源の発光面とレンズ位置の調整

コリメーションの実現には光源の発光面をレンズの焦点位置に正確に配置する必要があります。

発光面とレンズの位置が少しでも近すぎてしまうと光は発散してしまい、逆に発光面とレンズの位置が離れてしまうと収束してしまうため、レンズの焦点位置に発光面が正確に配置できるよう調整する必要があります。

他にも光の散乱や偏光などの影響を最小限に抑えるために、光学素材の品質や設備の素材表面処理にも注意を払う必要があります。これらのポイントを適切に考慮することで、理想的なコリメーション(平行光)を実現し、光学系全体の性能を最大限に引き出すことが可能となります。

こうしたコリメート光は半導体露光装置の露光用光源やオートコリメータ等の計測装置用光源に利用されています。

 

コリメーションの効果や利点

コリメーションは、光学系や計測機器において多くの利点をもたらします。まず、光を平行に整えることで、光学系全体での信頼性と安定性が向上し、より精密な測定や観察が可能となります。

また、コリメート光は、光学系内の光損失を最小限に抑えるため、効率的な機能の実現にも効果があります。

次に、コリメートユニットに関する具体的な解決事例について紹介します。

課題決事例:コリメートユニットの開発

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