06 紫外線(UV)照射装置の用途
紫外線殺菌技術の食品業界への応用
紫外線殺菌の仕組み
紫外線(UV)は、特定の波長の光を利用して細菌やウイルスのDNAやRNAに直接的なダメージを与えます。これにより細菌やウイルスをの増殖を抑制または不活化することができます。この仕組みを利用しているのが紫外線殺菌技術です。波長域100nm~280nmの深紫外線(UV-C)は、ウイルスや細菌などのDNAやRNAに吸収される性質があるため、ウイルスや細菌などにUV-Cの紫外線を照射することでDNAやRNAに直接ダメージを与え、破壊することができます。
紫外線殺菌の食品への応用
紫外線殺菌技術は、食品業界で広く使われています。食品業界における殺菌方法は加熱殺菌や塩素消毒、殺菌剤などがあります。しかし、これらの殺菌方法には課題もあります。例えば、加熱殺菌においては食材も加熱してしまうため、用途が限られます。また、熱に耐性を持つ菌には効果がありません。
紫外線(UV)ならば、あらゆる菌に対して有効です。紫外線による殺菌は、食品への影響も少なく、紫外線を照射するだけなので効率的です。紫外線照射では、照射前後での食品への影響がほとんどありません。しかし、紫外線のあたる範囲でしか殺菌効果がないため、特に表面殺菌や透過率の高い空気や水の殺菌に適しています。
紫外線殺菌は、食品自体の殺菌だけでなく、容器の殺菌や食品工場の環境維持のために使われることもあります。生鮮食品や果物、野菜の表面殺菌、牛乳や果汁のような液体食品など、食品を直接紫外線殺菌することもありますが、食品の包装フィルムやケース、包装前の加工食品の表面除菌、食品工場の空気や水の殺菌のために広く使われている技術です。これにより、食材の保存期間を延ばすこと、食中毒の減少に貢献します。
紫外線殺菌は本当に安全なのか?
紫外線は一般的には人体に悪影響を及ぼすものである、と認知されています。殺菌のために照射している紫外線を人間が直接浴びることは非常に危険です。しかし、適切に紫外線殺菌された食品は人体には安全です。化学薬品を使った殺菌などと比較しても、残留物質がなく、安全といえます。
ただし、過度な紫外線の照射は食品の変色や栄養素の変化につながりますので、適切な紫外線照射装置・光源を使用する必要があります。
食品業界への紫外線(UV)照射殺菌装置のアプリケーション
ここからは、紫外線(UV)照射殺菌装置の具体的なアプリケーションついて紹介します。
茶葉殺菌用紫外線(UV)照射装置
茶葉製造工程では、病原微生物の殺菌工程があり、UV照射装置が用いられることがあります。コンベア搬送ラインや空気輸送ラインにUV照射装置が搭載され、自動で殺菌されます。
紫外線(UV)水除菌装置
水の除菌装置には、UV照射装置が搭載されています。水除菌装置の用途は、上下水道、飲料、ボイラー水など様々です。220nm程度の深紫外線領域のUVが用いられており、水銀ランプを光源にすることが一般的です。
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