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01 知ってほしいLEDのこと

光回復とは?光回復が行われる波長について解説!

光回復とは?

紫外線は、その光エネルギーの強さから様々な分野で利用されています。紫外線による殺菌のメカニズムは、UV-CやUV-B域の紫外線を照射することにより細菌の細胞内に存在する核酸(DNAまたはRNA)に損傷を与え、その増殖能力を奪うというものです。しかし、UV照射で不活化しきれなかった一部の細菌は、紫外線照射後に可視光を浴びることで、損傷を受けたDNAを修復し、再び増殖能力を取り戻すことがあります。この現象を「光回復」と呼びます。

光回復は、主に細菌などの微生物において見られる現象で、紫外線による損傷からの回復メカニズムの一つとして機能しています。光回復には、光回復酵素と呼ばれる酵素が関与しており、特定の波長の光を吸収することで活性化し、損傷したDNAの修復を行います。

光回復が行われる波長

光回復に有効な光の波長は、400~500nmの範囲の青色光とされています。この波長域は、可視光線の中でも比較的紫外線に近い波長域であり、光回復酵素が最も効率的に活性化される波長域です。

光回復酵素は、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)と呼ばれる補因子を結合しており、このFADが光受容体として機能します。FADは、特定の波長の光を吸収することで励起状態となり、そのエネルギーをDNA修復に利用します。

光回復に有効な波長域は、微生物の種類や光回復酵素の種類によって異なるため、最適な波長域を特定するためには、それぞれの微生物の特性を考慮する必要があります。

光回復のメカニズム

光回復のメカニズムは、大きく分けて「酵素的光回復」と「非酵素的光回復」の2つに分類されます。

酵素的光回復は、光回復酵素が関与するメカニズムです。光回復酵素は、損傷したDNAに結合し、特定の波長の光を吸収することで活性化します。活性化された光回復酵素は、損傷したDNAの修復を行い、元の状態に戻します。

非酵素的光回復は、光回復酵素を必要としないメカニズムです。近紫外光を照射することで、損傷したDNAが間接的に修復されます。

光回復のメカニズムは、微生物の種類や環境条件によって異なるため、詳細なメカニズムについてはまだ解明されていない部分も多いです。

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紫外線(UV)照射殺菌装置のアプリケーション

ここからは、紫外線(UV)照射殺菌装置の具体的なアプリケーションついて紹介します。

①ウイルス抑制・除菌装置用UV照射装置

ウイルス抑制・除菌装置用UV照射装置

商業施設や病院などで使用されるウイルス抑制・除菌装置用としてUV照射装置が使用されます。UVを照射することで、ウイルスや細菌のDNA/RNA構造が破壊されるため、ウイルス抑制・除菌が可能になります。
UV-Cを用いて除菌効果を持たせる他、UV-Aと光触媒により、除菌+脱臭効果をもつ装置もあります。

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②UV水除菌装置

水の除菌装置には、UV照射装置が搭載されています。水除菌装置の用途は、上下水道、飲料、ボイラー水など様々です。220nm程度の深紫外線領域のUVが用いられており、水銀ランプを光源にすることが一般的です。

265nm,280nm程度のUV領域であれば、水銀ランプではなくUV-LEDを活用することも可能であり、長寿命化を実現できます。

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