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UV(紫外線)ランプとは

UV(紫外線)ランプ

UV(紫外線)ランプとは、紫外域の波長(一般的には200~400nm)を強く放射するランプのことです。代表的なランプとして、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどがあります。

紫外線照射装置技術ナビを運営するARK TECHでは、UV(紫外線)ランプを光源とした照射装置の設計・開発を行っています。当ページでは、UV(紫外線)ランプとは何かについて、ご説明いたします。

UV(紫外線)ランプによる紫外線の発光原理

UVランプによる紫外線の発光原理

UV(紫外線)を発光させる場合、石英管の両端に電極を取り付け、内部にキセノン(Xe)やアルゴン(Ar)などの不活性ガスと水銀(Hg)を封入しランプを形成します。
そして

  1. 電極間に高電圧を印加し放電させます。
  2. 放電が開始すると陰極側電極から二次電子が飛び出します。
  3. 飛び出した電子が水銀原子に衝突し、水銀原子が励起(※1)されます。
  4. 励起された不安定な水銀原子は直ちにエネルギーを光として放出し、元の安定した基底状態に戻ります。励起された水銀原子が基底状態に戻るときに発生する光が紫外線です。水銀原子は電子の衝突→励起→紫外線放出→基底→電子の衝突のサイクルを繰り返すことにより連続的に紫外線を放射します。

尚、メタルハライドランプは水銀とハロゲン化金属を封入しています。ハロゲン化合物の種類や比率により色温度を調節し演色性を改善することができます。

※注1
原子が外部から光や熱などのエネルギーを与えられたとき、原子を構成する電子が外側の軌道に推移し、元のエネルギーの低い安定した状態からエネルギーの高い不安定な状態へ移ること。ここではHgからHg+になること。

UVランプの石英管

UVランプの石英管

UVランプには、紫外域の波長を効率よく透過させる石英が窓材として使用されます。
石英管には、200-300nm付近の短波長域を放射させないオゾンレスタイプと、短波長域を放射させるオゾンプロデュースタイプがあります。水銀のスペクトルは200~400nmまでありますが、ランプに使用する石英管で短波長域をカットしたり透過させたりすることにより、放射帯域を選択しています。

ショートアークランプ

電極間距離が1~10mmと短く、アーク放電により発光するランプ。高輝度の点光源であることが特徴です。レンズやミラー、ファイバーなどの光学デバイスと組み合わせて使用することにより光の集中、拡散、屈折などのコントロールが可能な光源装置に用いることができます。キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ等があります。

ロングアークランプ

電極間距離の長い、アーク放電により発光するランプです。ショートアークに比べて高輝度ではありませんが、長い発光管全体にアークが広がり広範囲を照射することができます。照明や広範囲の露光、表面処理に適したランプです。また、ランプ内部の圧力が比較的低く、安定して発光します。 254nm以下の波長を強く発光する低圧水銀ランプや、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどがあります。